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平成31年度税制改正大綱について

概要

先週の金曜日、12月14日に平成31年度税制改正大綱が発表されました。

この税制改正大綱とは、与党が税制調査会を中心に翌年度以降にどのような税制に変えるべきかを話し合い、まとめたものです。

例年ですと、政府はこの税制改正大綱に沿った税制改正法案を来年の通常国会に提出し、この税制改正法は来年3月頃に成立されるという流れになります。

今回の税制改正大綱で特に目立ったのが、来年10月に予定されている消費税アップに伴う対応です。

消費税を引き上げますと、今までの経験から消費が冷え込むことが予想されますので、消費が冷え込まないようにするため、軽減税率の他、住宅と自動車の税金を減税する措置が取られます。

また、平成 30 年度税制改正における法人の事業承継税制に続き、平成31年度の税制改正では、個人事業者についても、高齢化が急速に進展する中で、円滑な世代交代を通じた事業の持続的な発展の確保が喫緊の課題となっていることを踏まえ、個人事業者の事業承継を促進するための相続税・贈与税の新たな納税猶予制度が創設されることになります。

つまり、法人の事業承継税制の納税猶予の個人事業者版が創設されるということです。

平成30年度の改正がかなり大きかったため、来年の改正はそれほど大きいものはないというのが正直な印象です。

尚、保険税務に関する改正は特にないです。

以下、具体的に内容をみていきたいと思います。
(下の図をクリックしますと平成31年度の税制改正大綱が表示されます。)

平成31年度税制改正の具体的内容

個人所得課税、資産課税、法人課税、消費課税、その他に分けて、その中で重要な項目だと思われるものだけをピックアップしていきます。

個人所得課税

1 住宅・土地税制

(1) 住宅ローン控除についての期間の延長と拡充

個人が、住宅の取得等(消費税等の税率が 10%である場合の住宅の取得等に限ります)をして平成 31 年 10 月1日から平成 32 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に供した場合について、住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除(住宅ローン控除)の特例を創設します。。

具体的には、今までは住宅ローン控除は10年の期間でしたが、消費税が10%かかった住宅については、これを13年と3年間延長するとともに、適用年の 11 年目から13 年目までの各年の住宅ローン控除額について、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定める金額を控除できることになります。尚、当初10年間は従来同様の計算です。

① 一般の住宅(認定長期優良住宅以外の住宅)の場合
次に掲げる金額のいずれか少ない金額
(イ)住宅借入金等の年末残高(4,000 万円を限度)×1%
(ロ){住宅の取得等の対価の額-その住宅の取得等の対価の額に含まれる消費税額等}
  (4,000 万円を限度)×2%÷3

② 認定長期優良住宅の場合
次に掲げる金額のいずれか少ない金額
(イ)住宅借入金等の年末残高(5,000 万円を限度)×1%
(ロ){住宅の取得等の対価の額-その住宅の取得等の対価の額に含まれる消費税額等}
  (5,000 万円を限度)×2%÷3

上記(ロ)の赤字の計算式を見てもわかりますように、消費税が8%から10%と、2%アップした分を3年かけて還元していく住宅ローン控除となります。

      “国土交通省ホームページより引用”

(2)空き家の発生を抑制するための特例措置の拡充・延長

空き家に係る譲渡所得の 3,000 万円特別控除の特例について、老人ホーム等に入所をしたことにより被相続人の居住の用に供されなくなった家屋及びその家屋の敷地の用に供されていた土地等は、次に掲げる要件その他一定の要件を満たす場合に限り、相続の開始の直前において、その被相続人の居住の用に供されていたものとして本特例を適用するほか、その適用期限が4年延長されます。

① 被相続人が介護保険法に規定する要介護認定等を受け、かつ、相続の開始の直前まで老人ホーム等に入所をしていたこと。

② 被相続人が老人ホーム等に入所をした時から相続の開始の直前まで、その家屋について、その者による一定の使用がなされ、かつ、事業の用、貸付けの用又はその者以外の者の居住の用に供されていたことがないこと。

上記の改正は、平成 31 年4月1日以後に行う被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等の譲渡について適用します。

居住用不動産を売却した場合の譲渡所得の3,000万円の特別控除の特例については、通常その居住用不動産を売却する直前に居住していたことが必要ですが、空き家の発生を抑制するため、この要件を緩和するものです。

    “国土交通省ホームページより引用”

2 金融・証券税制

(1) 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(NISA)についての改正

① 非課税口座を開設している居住者等が一時的な出国により居住者等に該当しないこととなる場合の特例措置

その者が出国の前日までに一定の届出書を提出した場合には、一定の期間その者を居住者等とみなして非課税措置を引き続き適用します。

② 居住者等が非課税口座を開設することができる年齢要件をその年1月1日において 18 歳以上(現行は20 歳以上)に引き下げます。

これは民法改正伴う改正です。

           “金融庁ホームページより引用”

(2) 民法改正に伴う未成年者の年齢の変更

未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(ジュニアNISA)について、居住者等が未成年者口座の開設並びに非課税管理勘定及び継続管理勘定の設定をすることができる年齢要件をその年1月1日において 18 歳未満(現行は20 歳未満)に引き下げます。

3 森林環境税(仮称)及び森林環境譲与税(仮称)の創設

(1)森林環境税(仮称)の創設
国税で年額 1,000 円であり、市町村が国に代わって、平成 36 年度より個人住民税と併せて徴収します。

(2)森林環境譲与税(仮称)の創設
森林環境譲与税(仮称)は、森林環境税(仮称)の収入額に相当する額とし、市町村及び都道府県に対して譲与します。

4 その他の改正項目(個人所得課税)

(1)源泉徴収及び確定申告における配偶者に係る控除の適用についての見直し

① 給与等又は公的年金等の源泉徴収における源泉控除対象配偶者に係る控除の適用については、夫婦のいずれか一方しか適用できないこととします。

② 居住者の配偶者が、公的年金等の源泉徴収において源泉控除対象配偶者に係る控除の適用を受け、かつ、公的年金等に係る確定申告不要制度の適用を受ける場合等には、その居住者は、確定申告において配偶者特別控除の適用を受けることができないこととする等の所要の措置を講じます。

上記の改正は、平成 32 年1月1日以後に支払われる給与等及び公的年金等並びに平成 32 年分以後の所得税について適用します。

(2) 個人住民税における都道府県又は市区町村(以下「都道府県等」という。)に対する寄附金に係る寄附金税額控除についての見直し

① 総務大臣は、次の基準に適合する都道府県等をふるさと納税(特例控除)の対象として指定する。

イ 寄附金の募集を適正に実施する都道府県等

イの都道府県等で返礼品を送付する場合には、以下のいずれも満たす都道府県等
(イ)返礼品の返礼割合を3割以下とすること
(ロ)返礼品を地場産品とすること

② ①の基準は総務大臣が定める。

③ 指定は、都道府県等の申出により行う。

④ 総務大臣は、指定をした都道府県等が基準に適合しなくなったと認める場合等には、指定を取り消すことができる。

⑤ 総務大臣は指定をし、又は指定を取り消したときは、直ちにその旨を告示しなければならない。

⑥ 基準の制定や改廃、指定や指定の取消しについては、地方財政審議会の意見を聴かなければならない。

上記の改正は、平成 31 年6月1日以後に支出された寄附金について適用します。

資産課税

1 個人事業者の事業用資産に係る納税猶予制度の創設等

   経済産業省のホームぺージより引用

(1)個人事業者の事業用資産に係る相続税の納税猶予制度の創設

① 概要
認定相続人が、平成 31 年1月1日から平成 40 年 12 月 31 日までの間に、相続等により特定事業用資産を取得し、事業を継続していく場合には、担保の提供を条件に、その認定相続人が納付すべき相続税額のうち、相続等により取得した特定事業用資産の課税価格に対応する相続税の納税を猶予します。

(注1)上記の「認定相続人」とは、承継計画に記載された後継者であって、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律の規定による認定を受けた者をいいます。
(注2)上記の「特定事業用資産」とは、被相続人の事業(不動産貸付事業等を除く。以下同じ)の用に供されていた土地(面積 400 ㎡までの部分に限る、建物(床面積 800 ㎡までの部分に限る)及び建物以外の減価償却資産(固定資産税又は営業用として自動車税若しくは軽自動車税の課税対象となっているものその他これらに準ずるものに限る)で青色申告書に添付される貸借対照表に計上されているものをいいます。
(注3)上記の「承継計画」とは、認定経営革新等支援機関の指導及び助言を受けて作成された特定事業用資産の承継前後の経営見通し等が記載された計画であって、平成 31 年4月1日から平成 36 年3月 31 日までの間に都道府県に提出されたものをいいます。

② 猶予税額の計算
猶予税額の計算方法は、非上場株式等についての相続税の納税猶予制度の特例と同様とします。

③ 猶予税額の免除
イ 全額免除
次の場合には、猶予税額の全額を免除します。
(イ)認定相続人が、その死亡の時まで、特定事業用資産を保有し、事業を継続した場合
(ロ)認定相続人が一定の身体障害等に該当した場合
(ハ)認定相続人について破産手続開始の決定があった場合
(ニ)相続税の申告期限から5年経過後に、次の後継者へ特定事業用資産を贈与し、その後継者がその特定事業用資産について贈与税の納税猶予制度(後述)の適用を受ける場合

ロ 一部免除
次の場合には、非上場株式等についての相続税の納税猶予制度の特例に準じて、猶予税額の一部を免除します。
(イ)同族関係者以外の者へ特定事業用資産を一括して譲渡する場合
(ロ)民事再生計画の認可決定等があった場合
(ハ)経営環境の変化を示す一定の要件を満たす場合において、特定事業用資産の一括譲渡又は特定事業用資産に係る事業の廃止をするとき

(注4)上記の「経営環境の変化を示す一定の要件」は、非上場株式等についての相続税の納税猶予制度の特例に準じた要件とします。

なお、上記イ(ハ)又はロの場合には、過去5年間に認定相続人の青色事業専従者に支払われた給与等で必要経費として認められない額は免除しません。

④ 猶予税額の納付
イ 認定相続人が、特定事業用資産に係る事業を廃止した場合等には、猶予税額の全額を納付します。
ロ 認定相続人が、特定事業用資産の譲渡等をした場合には、その譲渡等をした部分に対応する猶予税額を納付します。

⑤ 利子税の納付
上記④により、猶予税額の全部又は一部を納付する場合には、その納付税額について相続税の法定申告期限からの利子税(年3.6%)(利子税の特例(貸出約定平均利率の年平均が0.6%の場合)を適用した場合には、年0.7%)を併せて納付します。

⑥ その他

イ 被相続人は相続開始前において、認定相続人は相続開始後において、それぞれ青色申告の承認を受けていなければならない。

ロ 認定相続人は、相続税の申告期限から3年毎継続届出書を税務署長に提出しなければならない。

ハ 認定相続人が、相続税の申告期限から5年経過後に特定事業用資産を現物出資し、会社を設立した場合には、その認定相続人がその会社の株式等を保有していることその他一定の要件を満たすときは、納税猶予を継続します。

ニ 被相続人に債務がある場合には、特定事業用資産の価額からその債務の額(明らかに事業用でない債務の額を除く。)を控除した額を猶予税額の計算の基礎とする、非上場株式等についての相続税の納税猶予制度における資産管理会社要件を踏まえた要件を設定する等の租税回避行為を防止する措置を講じます。

この納税猶予の適用を受ける場合には、特定事業用宅地等について小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けることができませんつまり併用不可)。

ヘ その他非上場株式等についての相続税の納税猶予制度の特例に準ずる措置のほか、所要の措置を講じます。

(2)個人事業者の事業用資産に係る贈与税の納税猶予制度の創設

① 認定受贈者(18 歳平成 34 年3月 31 日までの贈与については、20 歳以上である者に限る。以下同じ)が、平成 31 年1月1日から平成 40 年 12月 31 日までの間に、贈与により特定事業用資産を取得し、事業を継続していく場合には、担保の提供を条件に、その認定受贈者が納付すべき贈与税額のうち、贈与により取得した特定事業用資産の課税価格に対応する贈与税の納税を猶予します。

② 認定受贈者が贈与者の直系卑属である推定相続人以外の者であっても、その贈与者がその年1月1日において 60歳以上である場合には、相続時精算課税の適用を受けることができます。

③ 猶予税額の納付、免除等については、相続税の納税猶予制度と同様とします。

④ 贈与者の死亡時には、特定事業用資産既に納付した猶予税額に対応する部分を除く。)をその贈与者から相続等により取得したものとみなし、贈与時の時価により他の相続財産と合算して相続税を計算します。その際、都道府県の確認を受けた場合には、相続税の納税猶予の適用を受けることができます。

上記(1)及び(2)の改正は、平成 31 年1月1日以後に相続等又は贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用します。

   “経済産業省のホームページより引用”

(3)特定事業用宅地等に係る小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の見直し

小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例について、特定事業用宅地等の範囲から、相続開始前3年以内に事業の用に供された宅地等(当該宅地等の上で事業の用に供されている減価償却資産の価額が、当該宅地等の相続時の価額の 15%以上である場合を除く)を除外します。

上記の改正は、平成 31 年4月1日以後に相続等により取得する財産に係る相続税について適用します。ただし、同日前から事業の用に供されている宅地等については、適用しません。

2 教育資金の一括贈与非課税措置の見直し

直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、次の措置を講じた上、その適用期限を2年延長します。

(1)受贈者の所得要件
信託等をする日の属する年の前年の受贈者の合計所得金額が 1,000 万円を超える場合には、その信託等により取得した信託受益権等については、本措置の適用を受けることができないこととします。

上記の改正は、平成 31 年4月1日以後に信託等により取得する信託受益権等に係る贈与税について適用します。

(2)教育資金の範囲の変更
教育資金の範囲から、学校等以外の者に支払われる金銭で受贈者が 23 歳に達した日の翌日以後に支払われるもののうち、教育に関する役務提供の対価、スポーツ・文化芸術に関する活動等に係る指導の対価、これらの役務提供又は指導に係る物品の購入費及び施設の利用料を除外します。ただし、教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講するための費用は除外しません。

上記の改正は、平成 31 年7月1日以後に支払われる教育資金について適用します。

(3)贈与者死亡の場合の取り扱い
信託等をした日から教育資金管理契約の終了の日までの間に贈与者が死亡した場合(その死亡の日において次のいずれかに該当する場合を除く。)において、受贈者がその贈与者からその死亡前3年以内に信託等により取得した信託受益権等について本措置の適用を受けたことがあるときは、その死亡の日における管理残額を、その受贈者がその
贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなします。
① その受贈者が 23 歳未満である場合
② その受贈者が学校等に在学している場合
③ その受贈者が教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合

(注1)上記の「管理残額」とは、非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額のうち、贈与者からその死亡前3年以内に信託等により取得した信託受益権等の価額に対応する金額をいいます。
(注2)上記の改正は、平成 31年4月1日以後に贈与者が死亡した場合について適用する。ただし、同日前に信託等により取得した信託受益権等の価額は、上記(注1)の信託受益権等の価額に含まれないものとします。

(4)教育資金管理契約の終了事由
教育資金管理契約の終了事由について、受贈者が 30 歳に達した場合においても、その達した日において上記(3)②又は③のいずれかに該当するときは教育資金管理契約は終了しないものとし、その達した日の翌日以後については、その年において上記(3)②若しくは③のいずれかに該当する期間がなかった場合におけるその年 12 月 31 日又は当該受贈者が 40 歳に達する日のいずれか早い日に教育資金管理契約が終了するものとします。

上記の改正は、平成 31 年7月1日以後に受贈者が 30 歳に達する場合について適用します。

3 結婚・子育て資金の一括贈与非課税措置の見直し

 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、次の措置を講じた上、その適用期限を2年延長します。

受贈者の所得要件
信託等をする日の属する年の前年の受贈者の合計所得金額が 1,000 万円を超える場合には、その信託等により取得した信託受益権等については、本措置の適用を受けることができないこととします。
上記の改正は、平成 31 年4月1日以後に信託等により取得する信託受益権等に係る贈与税について適用します。

4 民法改正に伴う改正等

(1)相続税の未成年者控除の対象となる相続人の年齢を18歳未満(現行:20歳未満)に引き下げます。
(2)次に掲げる制度における受贈者の年齢要件を18歳以上(現行:20歳以上)に引き下げます。
①相続時精算課税制度
②直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税の税率の特例
③相続時精算課税適用者の特例
④非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度(特例制度についても同様)
上記(1)及び(2)の改正は、平成34年4月1日以後に相続若しくは遺贈又は贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用します。
(3)民法(相続関係)の改正に伴い、次の措置を講じます。
①相続税における配偶者居住権等の評価額を次のとおりとします。
イ 配偶者居住権
建物の時価ー建物の時価×(残存耐用年数-存続年数)/残存耐用年数)×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率
ロ 配偶者居住権が設定された建物(以下「居住建物」という。)の所有権
建物の時価ー配偶者居住権の価額
ハ 配偶者居住権に基づく居住建物の敷地の利用に関する権利
土地等の時価ー土地等の時価×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率
ニ 居住建物の敷地の所有権等
土地等の時価ー敷地の利用に関する権利の価額
(注1)上記の「建物の時価」及び「土地等の時価」は、それぞれ配偶者居住権が設定されていない場合の建物の時価又は土地等の時価とします。
(注2)上記の「残存耐用年数」とは、居住建物の所得税法に基づいて定められている耐用年数(住宅用)に1.5を乗じて計算した年数から居住建物の築後経過年数を控除した年数をいいます。
(注3)上記の「存続年数」とは、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める年数をいいます。
(イ)配偶者居住権の存続期間が配偶者の終身の間である場合・・・配偶者の平均余命年数
(ロ)(イ)以外の場合…遺産分割協議等により定められた配偶者居住権の存続期間の年数(配偶者の平均余命年数を上限とします。)
(注4)残存耐用年数又は残存耐用年数から存続年数を控除した年数が零以下となる場合には、上記イの「(残存耐用年数ー存続年数)/残存耐用年数」は、零とします。
② 物納劣後財産の範囲に居住建物及びその敷地を加えます。
③ 配偶者居住権の設定の登記について、居住建物の価額(固定資産税評価額)に対し、1,000分の2の税率により登録免許税を課税します。
④ 特別寄与料に係る課税について、次のとおりとします。
イ 特別寄与者が支払を受けるべき特別寄与料の額が確定した場合には、その特別寄与者が、その特別寄与料の額に相当する金額を被相続人から遺贈により取得したものとみなして、相続税を課税します。
ロ 上記イの事由が生じたため新たに相続税の申告義務が生じた者は、その事由が生じたことを知った日から10月以内に相続税の申告書を提出しなければならない。
相続人が支払うべき特別寄与料の額は、その相続人に係る相続税の課税価格から控除します。
ニ 相続税における更正の請求の特則等の対象に上記イの事由を加えます。

⑤遺留分制度の見直しに伴う所要の措置を講ずます(所得税についても同様です)

法人課税

1 イノベーション促進のための研究開発税制の見直し

試験研究を行った場合の税額控除制度(研究開発税制)について、次の見直しを行います。

(1)税額控除率等の見直し
試験研究費の総額に係る税額控除制度について、税額控除率を次のとおり見直した上、研究開発を行う一定のベンチャー企業の控除税額の上限を当期の法人税額の 40%(現行25%)に引き上げます。

① 増減試験研究費割合が8%超
9.9%+(増減試験研究費割合-8%)×0.3

② 増減試験研究費割合が8%以下
9.9%-(8%-増減試験研究費割合)×0.175

(注1)上記の「研究開発を行う一定のベンチャー企業」とは、設立後 10 年以内の法人のうち当期において翌期繰越欠損金額を有するもの(大法人の子会社等を除く)をいいます。
(注2)上記①については、10%を上限とします(現行と同じ)。
(注3)上記②については、6%を下限とします(現行と同じ)。

(2)税額控除制度の控除税額の上限の上乗せ特例
試験研究費の額が平均売上金額の 10%を超える場合における試験研究費の総額に係る税額控除制度の控除税額の上限の上乗せ特例について、次のとおり改組した上、その適用期限を2年延長します。

① 試験研究費の総額に係る税額控除制度における控除税額の上限(当期の法人税額の25%又は 40%)に、当期の法人税額に試験研究費割合から10%を控除した割合を2倍した割合(10%を上限)を乗じて計算した金額を上乗せします(現行と同じ)。

② 試験研究費の総額に係る税額控除制度における税額控除率を、上記(1)①及び②並びに(注3)により算出した率に、その算出した率に控除割増率を乗じて計算した率を加算した率とします(小数点以下3位未満の端数は切捨 )。

上記の「控除割増率」とは、試験研究費割合から 10%を控除した割合に 0.5 を乗じた割合(10%を上限)をいいます。

(3)適用期限の延長等
試験研究費の総額に係る税額控除制度の税額控除率(上記(1)及び(2)②) の上限を 14%(原則10%)とする特例の適用期限を2年延長します。

    “経済産業省のホームページより引用”

2 中堅・中小・小規模事業者の支援

(1)中小企業者等の法人税の軽減税率の特例の適用期限を2年延長します。

(2)中小企業投資促進税制の適用期限を2年延長します。

3 地方創生の推進

(1)地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度(地域未来投資促進税制)について、関係法令の改正を前提に、その適用期限を2年延長します。

(2)認定地方公共団体の寄附活用事業に関連する寄附をした場合の法人税額の特別控除制度について、対象事業に地方創生関係交付金による事業も含まれることの明確化等の運用の改善を行います。

4 地方税の改正

(1)法人事業税(所得割及び収入割)の税率の改正

法人事業税の標準税率を次のとおりとし、平成 31 年 10 月1日以後に開始する事業年度から適用します。

① 資本金1億円超の普通法人の所得割の標準税率

所得現行改正案
年400 万円以下の所得1.9%0.4%
年400 万円超年 800 万円以下の所得 2.7%  0.7%
年800 万円超の所得3.6% 1%

② 資本金1億円以下の普通法人等の所得割の標準税率

所得現行改正案
年400 万円以下の所得5% 3.5%
年400 万円超年 800 万円以下の所得7.3%5.3%
年800 万円超の所得  9.6%7%

③ 特別法人の所得割の標準税率

所得現行改正案
年400 万円以下の所得 5%3.5%
年400 万円超の所得6.6%4.9%

収入金額課税法人の収入割の標準税率

業種現行改正案
電気供給業、ガス供給業及び保険業
1.3%1%
 (注1) 資本金1億円超の普通法人の所得割の制限税率について、標準税率の1.7 倍(現行1.2 倍)に引き上げる措置を講じます。
(注2) 3以上の都道府県に事務所又は事業所を設けて事業を行う法人のうち資本金 1,000 万円以上であるものの所得割に係る税率については、軽減税率の適用はありません。
(注3) 上記の「現行」とは、平成 31 年 10 月以降に適用することとされている税率に関する規定です。

(2)特別法人事業税(仮称)の創設
① 特別法人事業税(仮称)の基本的な仕組み

イ 納税義務者等
   特別法人事業税(仮称)は、法人事業税(所得割又は収入割)の納税義務者に対して課する国税とします。

ロ 課税標準
法人事業税額(標準税率により計算した所得割額又は収入割額) 

ハ 税率
(イ)付加価値割額、資本割額及び所得割額の合算額によって法人事業税を課税される法人の所得割額に対する税率・・・260%
(ロ)所得割額によって法人事業税を課税される普通法人等の所得割額に対する税率・・・37%
(ハ)所得割額によって法人事業税を課税される特別法人の所得割額に対する税率・・・ 34.5%
(ニ)収入割額によって法人事業税を課税される法人の収入割額に対する税率・・・ 30%

ニ 申告納付
    特別法人事業税(仮称)の申告納付は、都道府県に対して、法人事業税と併せて行うものとします。

ホ 賦課徴収
    特別法人事業税(仮称)の賦課徴収は、都道府県において、法人事業税と併せて行うものとします。

ヘ 国への払込み
    都道府県は、特別法人事業税(仮称)として納付された額を国の交付税及び譲与税配付金特別会計に払い込むものとします。

② 適用期日
特別法人事業税(仮称)は、平成 31 年 10 月1日以後に開始する事業年度 から適用します。

5 仮想通貨の評価方法等について

法人税における仮想通貨の評価方法等について、次のとおり時価法を導入する等の措置を講じます。

法人が事業年度末に有する仮想通貨のうち活発な市場が存在する仮想通貨については、時価評価により評価損益を計上します。

法人が仮想通貨の譲渡をした場合の譲渡損益についてはその譲渡に係る契約をした日の属する事業年度に計上します。

③仮想通貨の譲渡に係る原価の額を計算する場合における一単位当たりの帳簿価額の算出方法を移動平均法又は総平均法による原価法とし、法定算出方法移動平均法による原価法とします。

法人が事業年度末に有する未決済の仮想通貨の信用取引等については事業年度末に決済したものとみなして計算した損益相当額を計上します。

上記の改正は、平成31年4月1日以後に終了する事業年度分の法人税について適用します。なお、同日前に開始し、かつ、同日以後に終了する事業年度については、会計上仮想通貨につき時価評価していない場合には、上記①及び④を適用しないことができる経過措置を講じます。

消費課税

車体課税等の見直し

(1)自動車取得税

①排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境負荷の小さい自動車(新車に限る) の取得に対して課する自動車取得税に係る特例措置(いわゆる「自動車取得税のエコカー減税」)について、一定の見直しを行った上、その適用期限を6月延長します。

②排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境負荷の小さい自動車(新車を除く) の取得に対して課する自動車取得税の課税標準の特例措置について、その適用期限を6月延長します。

(2)自動車重量税
排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境負荷の小さい自動車に係る自動車重量税の免税等の特例措置(いわゆる「自動車重量税のエコカー減税」)について、一定の見直しを行った上、その適用期限を2年延長します。

(3)自動車税

①自家用乗用車(三輪の小型自動車を除く)に係る税率について、総排気量の種別毎に一定の減税を行い、平成 31 年 10 月1日以後に新車新規登録を受けたものから適用します。

自動車税において、燃費性能等の優れた自動車の税率を軽減し、一定年数を経過した自動車の税率を重くする特例措置(いわゆる「自動車税のグ リーン化特例」)を講じます。

(4)軽自動車税

①平成 31 年 10 月1日に導入される環境性能割の環境性能に応じた非課税又は1%若しくは2%の税率(営業用自動車にあっては、非課税又は 0.5%若しくは1%の税率自家用軽自動車に係る特例措置による2%の税率を除く) の適用区分について、一定の見直しを行います。

軽自動車税における、燃費性能等の優れた軽自動車(新車に限 る)を取得した日の属する年度の翌年度分の税率を軽減する特例措置(いわ ゆる「軽自動車税のグリーン化特例(軽課)」)について、一定の措置を講じます。

   “いずれも経済産業省のホームページより引用”

その他

(1)外国人旅行者向け消費税免税制度(輸出物品販売場制度)についての見直し
① 臨時販売場に係る届出制度を創設します。
②手続委託型輸出物品販売場許可申請書について、承認免税手続事業者の承認通知書の写しの添付を要しないこととします。
上記の改正は、平成 31 年4月1日以後に提出する申請書について適用します

(2)金地金等の密輸に対応するための消費税における仕入税額控除制度の見直し

密輸品と知りながら行った課税仕入れについて仕入税額控除制度の適用を認めないこととします。
金又は白金の地金の課税仕入れについて本人確認書類の写しの保存仕入税額控除の要件に加えます。
上記①の改正は、平成 31 年4月1日以後に国内において事業者が行う課税仕入れについて、上記②の改正は、同年 10月1日以後に国内において事業者が行う課税仕入れについて、それぞれ適用します。