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死亡保険金に対して所得税がかかる場合



概要

死亡保険金に対して所得税がかかる場合とは、契約者、被保険者、死亡保険金受取人の関係が、契約者=死亡保険金受取人であるときであり、ABAという契約形態です。

所得税がかかる場合には住民税も課税されます。本来ですと所得税・住民税ですが、ここでは所得税についてだけ述べることにします。

尚、死亡保険金に対する課税関係(全体像)については、次の内容をご覧下さい。

https://www.hokenzeim.com/%E6%AD%BB%E4%BA%A1%E4%BF%9D%E9%99%BA%E9%87%91%E3%81%AE%E8%AA%B2%E7%A8%8E%E9%96%A2%E4%BF%82%EF%BC%88%E5%85%A8%E4%BD%93%E5%83%8F%EF%BC%89/

死亡保険金に所得税がかかる場合の所得の種類☆

所得税は、その所得の種類に応じて、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得及び雑所得の10種類の所得に分類されます。

このうち、受け取った死亡保険金に所得税がかかる場合の所得の種類については、死亡保険金を一時金で受け取った場合には一時所得、死亡保険金を分割で受け取った場合には雑所得となります。

尚、一時所得も雑所得も他の所得と合算される総合課税の対象です。

 

<参考>所得税法上の所得の種類(10種類)

利子所得・・・預貯金の利子等にかかる所得

配当所得・・・株式の配当等にかかる所得

不動産所得・・・不動産等の貸付による所得

事業所得・・・農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業等の事業から生ずる所得

給与所得・・・給与等にかかる所得

退職所得・・・退職により一時に受け取る退職金にかかる所得

山林所得・・・山林の伐採または譲渡による所得

譲渡所得・・・資産の譲渡による所得

一時所得・・・上記の所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で、労務や資産の譲渡の対価としての性質を有しないもの

雑所得・・・上記の所得のいずれにも該当しない所得

※所得税法上の各種所得の種類の定義は、実際にはもっと細かいですが、ご理解していただくために易しく表現しました。

一時所得の計算方法

被保険者の死亡により、契約者がその死亡保険金を一時金として受け取った場合は一時所得となり、計算式は次の通りとなります。

一時所得=総収入金額-その収入を得るために支出した金額-特別控除額50万円

尚、一時所得の課税対象額はこの一時所得の金額の1/2となります。

死亡保険金を一時金として受け取った場合には、その死亡保険金が一時所得の総収入金額となり、支払った保険料総額がその収入を得るために支出した金額となります。

具体例①

契約者夫、被保険者妻、死亡保険金受取人夫の契約で、被保険者である妻が亡くなって夫が1,000万円を受け取った場合で支払った保険料の総額が350万円だったとき

(1)総収入金額               1,000万円

(2)その収入を得るために支出した金額     350万円

(3)特別控除額              50万円

(4)一時所得の金額 (1)-(2)-(3)により600万円となり、他の所得と合算される課税対象額はその半分の300万円となります。

雑所得の計算方法☆

被保険者の死亡により、契約者がその死亡保険金を分割で受け取った場合は公的年金等以外の雑所得となり、計算式は次の通りとなります。

雑所得=総収入金額-必要経費

総収入金額は、分割で受け取った年金年額に増加年金を足した金額で、一方必要経費は、次の計算式で計算したその年金年額に対応した保険料相当額となります。

尚、年金年額を受け取る際には、原則として所得税が源泉徴収されます。

(1)総収入金額 年金年額+増加年金(支給開始以後の剰余金)

(2)必要経費  年金年額 ×(払込保険料の合計額/年金の総支給見込額)

 

ここで必要経費の計算式を変形すると

払込保険料の合計額 ×(年金年額/年金の総支給見込額)

となりますので、その年金収入に対応した保険料相当額が必要経費ということが分かります。

しかし、所得税法では総収入金額に算入される金額に年金年額だけでなく増加年金が含まれるのに対し、必要経費の計算では増加年金を考慮しないため、必要経費の計算はこのような変則的な式となっていると思われます。

必要経費の計算上の年金の総支給見込額☆

年金の総支給見込額は、年金の種類によって異なり、計算方法は次のとおりです。

終身年金の場合:年金年額×※余命年数(※所得税法施行令82条の3)
確定年金の場合:年金年額×支給期間
有期年金の場合:年金年額×(支給期間と※余命年数のいずれか短い年数)

具体例②

契約者夫、被保険者妻、死亡保険金受取人夫の契約で、被保険者である妻が亡くなって死亡保険金受取人である夫が1,000万円の保険金を10回に分割して受け取る方法(確定年金)で受け取った場合で、支払った保険料の総額が350万円だったとき(便宜上1,000万円を分割受取にしたことによる受取額の増加分は考慮しないものとする)

(1)総収入金額     100万円(1,000万円/10回より)

(2)必要経費   100万円×{350万円/(100万円×10年)}=35万円

(3)雑所得の金額 (1)-(2)より65万円

年金受取りの場合に源泉徴収される所得税額☆

年金受取りの場合で雑所得の金額が25万円以上あるときには、その10.21%が所得税として源泉徴収されます。

但し、契約者と年金受取人が異なるときには、源泉徴収されないことになっています。

つまり、年金受取りの場合の雑所得の金額が25万円未満のときと、契約者と年金受取人が異なるときには源泉徴収されないことになります。

利子の源泉分離課税とは異なり、源泉徴収された所得税は課税が完結しません。

よって源泉徴収された所得税は、確定申告によって精算することが必要で、場合によっては源泉徴収された所得税が還付されます可能性がありますので、忘れずに確定申告をするようにして下さい。

尚、所得税の確定申告期限は、所得が生じた年の翌年2月16日から3月15日までとなっています。

支払調書☆

年金受取りの場合でその年中の支払金額が20万円を超えるときには、生命保険会社から所轄の税務署に支払調書が提出されます。

上記において、契約者と年金受取人が異なるときには、源泉徴収されないとお伝えしましたが、契約者と年金受取人が異なるときには、支払金額が20万円を超えないときであっても支払調書が税務署に提出されますのでご注意下さい。

確定申告が不要となる場合

被保険者の死亡により、契約者がその死亡保険金を分割で受け取った場合は公的年金等以外の雑所得となり、原則として確定申告が必要となりますが、次の場合には確定申告は不要となります。

(1) 給与の収入金額が2,000万円以下の給与所得者で、給与所得・退職所得以外の所得金額が20万円以下のとき

(2) 公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下で、公的年金等にかかる雑所得以外の所得金額が20万円以下であるとき

根拠法令・関連条文☆

所得税法
第一二一条(確定所得申告を要しない場合)
その年において給与所得を有する居住者で、その年中に支払を受けるべき給与等の金額が二千万円以下であるものは、次の各号のいずれかに該当する場合には、前条の確定所得申告の規定にかかわらず、その年分の課税総所得金額及び課税山林所得金額に係る所得税については、確定所得申告の規定による申告書を提出することを要しない。
一 一の給与等の支払者から給与等の支払を受け、かつ、当該給与等の全部について給与所得に係る源泉徴収義務又は年末調整の規定による所得税の徴収をされた又はされるべき場合において、その年分の給与所得及び退職所得以外の所得金額が二十万円以下であるとき。
二 二以上の給与等の支払者から給与等の支払を受け、かつ、当該給与等の全部について給与所得に係る源泉徴収義務又は年末調整の規定による所得税の徴収をされた又はされるべき場合において、イ又はロに該当するとき。
イ 従たる給与等の支払者から支払を受けるその年分の給与所得に係る給与等の金額とその年分の給与所得及び退職所得以外の所得金額との合計額が二十万円以下であるとき。
ロ イに該当する場合を除き、その年分の給与所得に係る給与等の金額が百五十万円と社会保険料控除の額、小規模企業共済等掛金控除の額、生命保険料控除の額、地震保険料控除の額、障害者控除の額、寡婦(寡夫)控除の額、勤労学生控除の額、配偶者控除の額、配偶者特別控除の額及び扶養控除の額との合計額以下で、かつ、その年分の給与所得及び退職所得以外の所得金額が二十万円以下であるとき。
 その年において公的年金等に係る雑所得を有する居住者で、その年中の公的年金等の収入金額が四百万円以下であるものが、その公的年金等の全部について公的年金等に係る源泉徴収義務の規定による所得税の徴収をされた又はされるべき場合において、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が二十万円以下であるときは、前条の確定所得申告の規定にかかわらず、その年分の課税総所得金額又は課税山林所得金額に係る所得税については、確定所得申告の規定による申告書を提出することを要しない。

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