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【支払調書】確定申告しないと税務調査の対象になる?

支払調書って?

生命保険会社は、保険金や解約金等を支払った場合で一定の条件に該当するときに、税務署に支払調書を提出しなければならないことになっています。

支払調書とは法定調書のひとつです。

法定調書とは、所得税法、相続税法及び租税特別措置法等によって事業者が税務署に提出が義務づけられている資料をいい、支払調書の他に源泉徴収票等があります。

生命保険金を受取ったにもかかわらず、申告しなければ税務署にわからないと思っている人がいるようで、税務署から後で修正申告を求められるケースがあるようです。

税務署は、生命保険会社から提出された支払調書によってその人の所得等を把握している状況ですので、申告がない場合には税務調査の対象になる可能性が高いです。

修正申告の場合には、延滞税過少申告加算税のペナルティが課されますので注意が必要となります。

支払調書の種類

支払調書等のうち、生命保険に関連するものとしては、

①生命保険契約等の一時金の支払調書

②生命保険契約等の年金の支払調書

③生命保険金・共済金受取人別支払調書

④保険契約者等の異動に関する調書(平成30年1月1日から新設)

があります。

これらの支払調書等は、全て生命保険会社が税務署に提出する書類です。

内容

具体的には次の内容になります。

①生命保険契約等の一時金の支払調書
生命保険金を一時金で支払う場合で所得税の一時所得課税となるときに、生命保険会社が税務署に提出する支払調書です。

②生命保険契約等の年金の支払調書
生命保険金を年金で支払う場合で所得税の雑所得となるときに、生命保険会社が税務署に提出する支払調書です。

③生命保険金・共済金受取人別支払調書
生命保険金を一時金または年金で支払う場合で相続税・贈与税課税となるときに、生命保険会社が税務署に提出する支払調書です。

④保険契約者等の異動に関する調書(平成30年1月1日から新設)
まだ被保険者が死亡しておらず、保険契約が消滅していない生命保険契約について、契約者死亡に伴い、契約者を変更したときに、生命保険会社が税務署に提出する調書です。

提出基準と提出期限

提出基準

生命保険会社から税務署に提出する基準は次の通りです。

①生命保険契約等の一時金の支払調書
1回の支払額が100万円超のとき

②生命保険契約等の年金の支払調書
年間の支払額が20万円超のとき

③生命保険金・共済金受取人別支払調書
一時金の場合には支払額が100万円超のときで、年金の場合には支払額が20万円超のとき

④保険契約者等の異動に関する調書(平成30年1月1日から新設)
相続に伴い契約者を変更したとき(解約返戻金相当額が100万円以下の場合には提出不要です)

提出期限

保険会社は、

生命保険契約等の一時金の支払調書と②生命保険契約等の年金の支払調書については、支払の確定した日の属する年の翌年1月31日

生命保険金・共済金受取人別支払調書については、支払った日の属する月の翌月15日

保険契約者等の異動に関する調書については、変更の効力が生じた日の属する年の翌年1月31日

までに支払調書等を税務署に提出しなければならないことになっています。

支払調書とマイナンバーについて

平成28年1月1日以後の法定調書には、マイナンバーを記載することとされていますが、一部の調書(「告知の猶予」欄に○が付されている調書)については、経過措置が設けられており、納税者からマイナンバーの提出がなかった場合には、生命保険会社はマイナンバーの記載を3年間猶予できます(平成30年12月31日終了)。

新設された“保険契約者等の異動に関する調書”

以前は契約者を変更した場合、税務署が把握できず課税申告漏れが発生しやすい状況でした。

このため平成27年の税制改正により、相続に伴う契約者変更の場合には保険契約者等の異動に関する調書新設されるとともに、相続以外で契約者変更した場合には、従前の支払調書に追加項目として、契約者の変更が行われた回数や新契約者の負担した保険料等を記載しなければならなくなりました(平成30年1月1日より施行)。

相続に伴う契約者変更の場合

提出する書類は、保険契約者等の異動に関する調書であり、記載項目は、次の通りです。

・新契約者の住所、氏名
・死亡した契約者の住所、氏名
・死亡した日における解約返戻金相当額
・既払保険料総額
・死亡した契約者の負担した保険料
・死亡日等

これらの記載項目のうち、解約返戻金相当額が重要になります。

なぜなら、まだ被保険者が死亡しておらず、保険契約が消滅していない生命保険契約に関する権利については、本来の財産として評価する必要があり、その相続税評価額は相続発生日の「解約返戻相当額」で評価されるためです(財産評価基本通達第214条)。

相続以外での契約者変更の場合

平成27年度の税制改正により、平成30年1月以降に従前の支払調書に追加で記載しなければならないことになったのは次の項目です。

・契約者の変更(その契約に係る契約者の変更が 2 回以上行われた場合には、最後の契約者の変更)前の契約者の氏名、住所
・その契約に係る現契約者が払い込んだ保険料の額
・その契約に係る契約者の変更が行われた回数

根拠法令・関連条文

財産評価基本通達
第214条(生命保険契約に関する権利の評価)
相続開始の時において、まだ保険事故が発生していない生命保険契約に関する権利の価額は、相続開始の時においてその契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額(解約返戻金のほかに支払われることとなる前納保険料の金額、剰余金の分配額等がある場合にはこれらの金額を加算し、解約返戻金の額につき源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額がある場合にはその金額を減算した金額)によって評価する。

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