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【法人保険】4月決算の法人はご注意ください

概要

今年は4月に天皇が退位し、5月より新元号になる関係で4月下旬から10連休となります。

具体的には4月30日、5月1日、5月2日がお休みになり、4月27日から振替休日である5月6日までの10日間がお休みとなります。

つまり今年の4月は例年とは異なり、特別な月となるのです。

注意しなければならないのは、4月決算の法人で、4月に年払の引落しの保険契約がある会社です。

では、どういうところを注意すべきでしょうか?

年払保険料の支払月による今期決算への影響

通常保険料の銀行引落し日については、27日としている生命保険会社がほとんどかと思います。

つまり、本来4月に支払う保険料は、今年に限って5月に引き落としとなってしまうのです。

 

年払保険料については、短期の前払費用であり、本来なら役務提供を受けていない将来費用であるため資産計上すべきものですが、法人税法基本通達2-2-14により、継続適用を条件に例外的に損金計上が認められています。

2-2-14 (短期の前払費用)
前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち当該事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。以下2-2-14において同じ。)の額は、当該事業年度の損金の額に算入されないのであるが、法人が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める。(昭55年直法2-8「七」により追加、昭61年直法2-12「二」により改正)

引用元:国税庁HP

つまり、4月決算の会社で年払保険料が4月ではなく5月に引き落としとなった場合には、今期ではなく、来期の損金に計上しなければならないことになります。

未払計上は可能か?

今回、何人かのお客様からは、「未払計上すれば大丈夫なんじゃないの?」と聞かれました。

しかし、前払費用となるものを未払計上することは、絶対にあり得ないのです。

これは簿記の勉強をした人でしたら、すぐに理解できるかと思います。

なぜなら前払費用は、役務提供を受けていない将来の費用であるのに対し、未払費用は役務提供を受けたものに対し、まだ支払っていないときに計上する勘定科目だからです。

前払費用、前受収益、未収収益、未払費用の4つは、経過勘定項目と呼ばれているものであり、これらは同じ仕訳の中ででてくることは絶対にあり得ません。

これを仕訳で説明したいと思います。

例えば4月決算で4月支払いの年払保険料が100万円だったとします。

これは本来でしたら次のように仕訳すべきものです。

<本来の仕訳>
前払保険料 100万円/現金預金 100万円

つまり、※前払保険料(前払費用)は、将来の費用として資産計上されます。

※正確に言うと、1ヵ月分は支払保険料として費用計上で、11ヵ月は前払費用とすべきかもしれませんが、ここでは分かりやすく全額前払費用としています。

しかし、法人税法基本通達2-2-14により、継続適用を条件として例外的に次のような仕訳とすることができます。

<法基通2-2-14による仕訳>
支払保険料 100万円/現金預金 100万円

つまり、本来でしたら将来の費用として資産計上すべきですが、例外的に全額費用(損金)としての計上を認めるとしています。

このため、
支払保険料 100万円/未払保険料 100万円とすることは
前払保険料 100万円/未払保険料 100万円としていることと同じであり、

絶対にあり得ない仕訳ということになります。

今年の対応策

結論を申し上げますと、もし、4月決算で4月に引き落としされる保険料を今期の損金にしたい場合には、保険会社と相談のうえ、今年のみ4月26日までに振り込みされることが必要かと思われます。

この手続きを取らなかった場合で、5月7日に保険料が引き落としされたときには、今期の損金でなく、来期の損金となりますのでご注意ください。

4月中に振込みにて年払保険料を支払った場合でも、5月7日にも保険料が引き落としとなる可能性があります。しかし、二重払いとなることから、保険会社から後日返金の手続きが取られますのでご安心ください。

とにかく、保険会社によっても対応が異なるかと思いますので、4月決算の会社で今年4月に年払保険料の引き落としがある場合には、早めにご契約している保険会社ご連絡のうえご対応することが必要かと思われます。

追記(平成31年4月24日)

この件で、生命保険協会が税務当局に照会したところ、今回については、”皇位継承に伴う特例的な措置”として、次のような取り扱いとなる旨の連絡を受けたそうです。

詳細は次のとおりです。

1.既契約かつ4月決算法人かつ月払・年払・半年払・かつ口座振替扱
皇位継承に伴う事情により、4月中に引き落とされるべき既契約の保険料が、令和元年5月7日に引き落とされた場合でも、その保険料を平成31年4月決算の損金の額に算入してよい。

2.新契約かつ4月決算法人かつ月払・年払・半年払・かつ口座振替扱
3月中に申込・告知が完了し、保険契約の責任が開始している場合、通常の年であれば、第1回の保険料の引き落としは4月中となりますが、皇位継承に伴う事情により、令和元年5月7日に引き落とされた場合でも、当該保険料を平成31年4月決算の損金の額に算入してよい。

よって、今回は”皇位継承に伴う特例的な措置” により5月に保険料が引き落としされた場合であっても、平成31年4月の損金算入できることになりました。

とりあえず安心ですね。よろしくお願いします。