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入院給付金や手術給付金の税金は非課税?



概要

病気やけがにより入院した場合や手術を受けた場合には、生命保険会社から入院給付金や手術給付金を受取ることができます。

この場合、入院給付金や手術給付金には税金がかかるでしょうか?

一見、入院給付金や手術給付金等には税金がかかりそうな感じがしますが、実は所得税法上これらの給付金は原則として非課税とされています。

所得税法では身体の傷害に基づいて支払われる給付金や保険金は原則非課税とされているのです(所得税法施行令第30条)

所得税法上非課税となる給付金や保険金

入院給付金や手術給付金のように所得税法上原則非課税となる給付金や保険金は、次のとおりです。

入院給付金

手術給付金

通院給付金

退院給付金

先進医療給付金

がん診断給付金

特定疾病保険金

介護保険金

高度障害保険金

リビングニーズ特約保険金等

保険料負担者と被保険者が異なる場合

入院給付金や手術給付金等は原則として被保険者に支払われます。保険料負担者と被保険者が異なる場合、課税上の問題は発生するでしょうか?

所得税基本通達の9-19によれば、その支払を受ける者と身体に傷害を受けた者(被保険者)とが異なる場合であっても、その支払を受ける者がその身体に傷害を受けた者(被保険者)の配偶者若しくは直系血族又は生計を一にするその他の親族であるときは、非課税としています。

生計一とはどのような状態を言うのか?

国税庁のホームページによれば、生計一を次のように定義しています。

日常の生活の資を共にすることをいいます。
会社員、公務員などが勤務の都合により家族と別居している又は親族が修学、療養などのために別居している場合でも、①生活費、学資金又は療養費などを常に送金しているときや、②日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には他の親族のもとで起居を共にしているときは、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。

つまり、生計一は同居を条件としていないことがわかります。

被保険者と生計一ではない人が保険料を負担していた場合は?

被保険者と生計一ではない人が保険料を負担していた場合で、被保険者が入院給付金等を受け取ったときには、その給付金が贈与と認定される可能性が高いです(相続税法第21条の3)。

しかし、贈与税の基礎控除額は年110万円であるため、入院給付金や手術給付金が贈与と認定されても贈与税がかかる可能性は低いと思われます。

医療費控除との関係

受け取った入院給付金や手術給付金は、所得税法上原則非課税となりますが、医療費控除の計算上医療費から控除しなければならないことになっています。

医療費控除は、生命保険料控除と同じ所得控除の一つで、所得税の税率をかける前に所得金額から控除するものです。

尚、生命保険料控除については、次の内容をご覧下さい。

https://www.hokenzeim.com/%E7%94%9F%E5%91%BD%E4%BF%9D%E9%99%BA%E6%96%99%E6%8E%A7%E9%99%A4%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

医療費控除の計算は、入院給付金等の給付を受けているか否かによって、次のような取り扱いとなります。

入金給付金等の給付を受けていないとき

医療費控除の計算

1年間にかかった医療費ー※10万円(足切額)=医療費控除額(200万円限度)

※足切額は、10万円または合計所得金額の5%を比べて低い方です(以下同じ)

入院給付金等の給付を受けたとき

医療費控除の計算

1年間にかかった医療費ー生命保険会社から支払われた入院給付金等ー※10万円(足切額)=医療費控除額(200万円限度)

入院給付金や手術給付金等は、※10万円(足切額)を控除する前に医療費から控除しなけらばならないことになっています。

《例外》がん診断給付金は医療費から控除しなくていい?☆

がんに診断されたときや、三大疾病で所定の状態になったときに一時金として受け取ったがん診断給付金特定疾病保険金については、医療費を補てんする給付金や保険金には当たらないとされ、例外として、医療費控除の計算上、医療費から差し引かなくてもよいとされています。

なぜなら、がん診断給付金や特定疾病保険金は、医療費を補てんする給付金や保険金ではなく、単に診断されたり、所定の状態になった時に支給されるものであるからです。

根拠法令・関連条文☆

所得税法
第九条(非課税所得)
次に掲げる所得については、所得税を課さない。
十七 保険業法第二条第四項に規定する損害保険会社又は同条第九項に規定する外国損害保険会社等の締結した保険契約に基づき支払を受ける保険金及び損害賠償金で、心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するものその他一定のもの

所得税法施行令
第三十条 法第九条第一項第十七号(非課税所得)に規定する保険金及び損害賠償金は、次に掲げるものその他これらに類するもの(各種所得の金額の計算上必要経費に算入される金額を補てんするための金額が含まれている場合には、その金額を控除した金額に相当する部分)とする。
一 損害保険契約に基づく保険金、生命保険契約に基づく給付金及び損害保険契約又は生命保険契約に類する共済に係る契約に基づく共済金で、身体の傷害に基因して支払を受けるもの並びに心身に加えられた損害につき支払を受ける慰謝料その他の損害賠償金(その損害に基因して勤務又は業務に従事することができなかったことによる給与又は収益の補償として受けるものを含む。)
二 損害保険契約に基づく保険金及び損害保険契約に類する共済に係る契約に基づく共済金で資産の損害に基因して支払を受けるもの並びに不法行為その他突発的な事故により資産に加えられた損害につき支払を受ける損害賠償金(これらのうち事業所得の収入金額とされる保険金等の規定に該当するものを除く。)
三 心身又は資産に加えられた損害につき支払を受ける相当の見舞金

所得税法
第七三条(医療費控除)
居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払った場合において、その年中に支払ったその医療費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。)の合計額がその居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額の百分の五に相当する金額(その金額が十万円を超える場合には、十万円)を超えるときは、その超える部分の金額(その金額が二百万円を超える場合には、二百万円)を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。
 前項に規定する医療費とは、医師又は歯科医師による診療又は治療、治療又は療養に必要な医薬品の購入その他医療又はこれに関連する人的役務の提供の対価のうち通常必要であると認められるものとして一定のものをいう。
 第一項の規定による控除は、医療費控除という。

所得税法基本通達
9-20 (身体に損害を受けた者以外の者が支払を受ける傷害保険金等)
令第30条第1号の規定により非課税とされる「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」は、自己の身体の傷害に基因して支払を受けるものをいうのであるが、その支払を受ける者と身体に傷害を受けた者とが異なる場合であっても、その支払を受ける者がその身体に傷害を受けた者の配偶者若しくは直系血族又は生計を一にするその他の親族であるときは、その保険金又は給付金についても同号の規定の適用があるものとする。
(注)いわゆる死亡保険金は、「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」には該当しないのであるから留意する。

73-8(医療費を補てんする保険金等)
保険金法第73条第1項かっこ内に規定する「保険金、損害賠償金その他これらに類するもの」(以下「医療費を補てんする保険金等」という。)には、次に掲げるようなものがあることに留意する。
(2) 損害保険契約又は生命保険契約に基づき医療費の補てんを目的として支払を受ける傷害費用保険金、医療保険金又は入院費給付金等

相続税法
第二一条の三(贈与税の非課税財産)
次に掲げる財産の価額は、贈与税の課税価格に算入しない。
二 扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの

※根拠法令・関連条文につきましては、読みやすいように一部加筆修正しています。

参考文献

生命保険文化センター「生命保険と税金の知識」

保険ショップマンモス