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法人契約の保険税務の改正の変遷(へんせん)

今までの法人契約の保険税務の税制改正

法人契約において貯蓄性の高い定期保険の税制が改正される予定ですが、これまでの法人契約の保険税務の改正の変遷(へんせん)をまとめてみました。

改正時期改正内容適用時期備考
S55.12.25
(直法2-15)
法人契約の生命保険料の取扱いが明文化
【法基通9-3-4〜9-3-8を新設】
・養老保険の2分の1損金処理
・特約保険料の処理
・転換時の処理
S55.12.25以後に開始する事業年度において支払う保険料から適用する終身保険は養老保険の取扱いに準ずる
S59.12.12
(直法2-3)
特約保険料の処理の改定
【法基通9-3-6の2を新設】
S61.1.1より適用する
S62.6.16
(直法2-2)
長期平準定期保険の取扱い
・保険期間の6割期間
50%損金、50%資産計上(前払費用)
S62.7.1以後に支払う保険料から適用する
H2.5.30
(直審4-19)
個人年金保険の取扱い
・10分の1損金処理
・法人受取の場合の資産計上額の取崩し
H8.7.4
(課法2-3)
逓増定期保険の保険料の処理
・保険期間の6割の期間
・損金算入割合が全額・1/2・1 / 3・1 / 4
H8.9.1以後に支払う保険料から適用するS62直法2-2を改定
H13.8.10
(課審4-100)
がん保険・医療保険(終身タイプ)の保険料の取扱い
・105歳を計算上の満期到達年齢として計算する
H13.9.1以後に支払う保険料から適用する
H13.11.8解約返戻金のない定期保険の取扱い
・長期平準定期保険の取扱いは適用しない
H14.2.15
(課法2-1)
払済保険へ変更した場合の処理【法基通9-3-7の2を新設】
・原則として、変更時に洗替経理処理する
H14.1.1以後の払済から適用する終身保険と養老保険は適用対象外
H15.12.15収入保障保険、年金払特約付保険(法人受取)
・年金受取りの都度、益金計上する

 

改正時期改正内容適用時期備考
H18.4.28長期傷害保険(終身保障タイプ)の税務上の取扱い
・105歳を計算上の満期到達年齢とし、前半7割期間は1/4損金算入する
適用日の明示なし文書照会制度による回答
H20.2.28
(課法2-3、
課審5-18)
逓増定期保険の保険料の処理の改定H20.2.28以後の契約に適用H20.2.28前の契約については、従来の取扱いを適用
H24.4.27
(課法2-5、課審5-6)
がん保険(終身保障タイプ)の保険料の取扱い
・105歳を保険期間満了年齡として、前半5割期間を1/2損金
・短期払の例外的取扱い
H24.4.27以後の契約に適用H24.4.27前の契約については、従来の取扱いを適用
H25-26医療保険(終身タイプ)の短期払の例外的取扱い
・短期払でも期間対応させず、支払時に全額損金に算入することができる
各保険会社が個別に国税局に照会し、回答を得る

 

今後の税制改正

さて、これを踏まえ、今後の定期保険の税制はどのように変わるでしょうか?

お伝えしたとおり、2019年2月13日に国税庁から各保険会社に定期保険の保険税務の改正予定の通知が行われてから、各保険会社は全損で貯蓄性が高い定期保険の販売を相次いで停止しました。

一部報道によれば今回の出来事は、バレンタインショックと呼ばれているそうです。

今後の定期保険の税制改正については、早くて5月、遅くとも夏位までには発表されるかと思います。

方向性としては、解約返戻率(解約返戻金を払込保険料で割った利率)のピ-クが50%を超えた場合には、全損にできないような取扱いとなる改正になるようです。
ところで、もし新しい税制が発表された場合、既契約についてはどのような取り扱いになるでしょうか?
考え方としては次の2つの方法があります。

遡及適用させる方法

まずは既契約について遡及適用する方法です。

しかし、この場合に、すでに決算を迎えた期についても変更させるとなると、修正申告になってしまい混乱をきたすことになりかねませんので、遡及適用させると言っても、税制改正後に決算を迎えた期から、既契約について新しい税制を適用させるという方法が取られる可能性が考えられます。

新契約から適用する方法

一方、既契約については適用させず、税制改正があった日以降に契約した定期保険について、新しい税制を適用させるという方法が考えられます。

これは平成20年2月28日に改正された逓増定期保険や、平成24年4月27日に改正されたガン保険と同じ方法となります。

それでは今回の定期保険の税制改正はどちらの方法か?

保険業界に長くおりますので、その経験や税理士の立場から、あくまで個人的な意見としてですが、今回の税制改正は、後者である新契約から適用する方法が取られる可能性が非常に高いと思われます。

理由としては、

1.貯蓄性が高く、全損の定期保険を採用している中小企業が非常に多く、もし遡及適用とする方法にした場合には相当な影響や混乱が予想されること。

2.今回、まだ税制改正が行われていない段階で、ほぼすべて保険会社が貯蓄性の高い定期保険を販売停止している状況はかなり異例のことであり、これは既契約について適用しないかわりに販売停止をするという前提で販売停止にした可能性が高いと考えられること。

 

本来、保険商品は金融庁の認可事項であり、国税庁の税制とは無関係ですので、税制が変わるからといって、保険商品を販売停止する必要はないと思われます。

つまり今回は、各保険会社は異例の対応をしていることになります。

よって、個人的な意見としては、既契約の定期保険には新しい税制は適用させず、逓増定期保険やガン保険の改正のときと同じように、税制改正後に契約した定期保険から新しい税制を適用する形となるのではないかと思っています。

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