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法人保険の支払保険料の税務(その2)

概要

生命保険を法人が契約し、その法人が保険料を支払った場合、以前お伝えしたのは次の契約形態のときでした。

契約者被保険者死亡保険金受取人
法人役員・従業員法人
この契約形態の保険税務をまとめると、保険種類ごとに次のようになります。
保険種類保険税務経理処理(仕訳)根拠法令等
定期保険損金算入(支払保険料)××(現金預金)××法人税法基本通達9-3-5
養老保険資産計上(保険料積立金)××(現金預金)××法人税法基本通達9-3-4
終身保険資産計上(保険料積立金)××(現金預金)××法人税法基本通達9-3-4に準じる
長期平準定期保険前半6/10期間半分損金算入半分資産計上(支払保険料)××(現金預金)××
(前払保険料)××
法人税法個別通達(直法2-2)
詳細については、こちらをご覧ください。
法人保険の支払保険料の税務
概要 生命保険を法人が契約し、その法人が保険料を支払った場合の税務は、どのような取り扱いとなるでしょうか? 以前、生命保険には定期、養老、終身の3つの基本型があることをお伝えしました。 結論から言うと、保険種類によって...
それでは、死亡保険金の受取人が、次のように契約者である法人ではなく、被保険者の遺族である場合にはどうなるでしょうか?
契約者被保険者死亡保険金受取人
法人役員・従業員被保険者の遺族

定期保険の保険料の税務

定期保険で死亡保険金受取人が被保険者の遺族の場合には、次の2通りの取扱いとなります。

①被保険者が役員・従業員で普遍的加入である場合
(福利厚生費)×××(現金預金)×××

普遍的加入とは、役員・従業員が原則として全員加入している状況を言います。

この場合の税務上の取扱いは、福利厚生費として損金算入できます。

それでは次のように全員加入ではなく、特定の役員や従業員が被保険者である場合にはどのような取扱いになるでしょうか?

②被保険者が特定の役員・従業員である場合
(給与)×××(現金預金)×××

この場合の税務上の取扱いは、福利厚生費では処理することができず、その被保険者に対する給与として損金算入します。

但し、給与の場合には、契約者である法人は、源泉所得税を徴収しなければならないという問題がありますので注意が必要です。

被保険者の給与として課税された保険料は、その被保険者自身が支払った保険料としてその被保険者個人の生命保険料控除の対象となります。

養老保険の保険料の税務

養老保険は、他の保険と異なり、満期という概念があり、満期保険金の受取りによって、次の3通りの取扱いとなります。

契約者被保険者満期保険金受取人死亡保険金受取人
法人役員・従業員被保険者被保険者の遺族
法人役員・従業員(普遍的加入)法人被保険者の遺族
法人特定の役員・従業員法人被保険者の遺族
国税庁のホームページのタックスアンサーには次の記載があります。

引用元:国税庁HP

つまり、これをまとめると次のような経理処理となります。


①満期保険金受取人が被保険者で、死亡保険金受取人が被保険者の遺族である場合

(給与)×××(現金預金)×××

この場合の税務上の取扱いは、その被保険者に対する給与として損金算入します。

但し、給与の場合には、契約者である法人は、源泉所得税を徴収しなければならないという問題がありますので注意が必要です。

②満期保険金が法人で、死亡保険金受取人が被保険者の遺族である場合(普遍的加入)

(保険料積立金)×××(現金預金)×××
(福利厚生費) ×××

こちらは有名なハーフタックスプランと呼ばれている契約形態です。

法人が満期保険金受取人であることにより、役員・従業員の退職金の準備できるとともに、死亡保険金受取人を被保険者の遺族とすることによって、万が一役員・従業員が死亡した場合の死亡退職金や弔慰金を準備することができます。

養老保険は貯蓄性があり、本来全額資産計上であるべき商品ですが、死亡保険金受取人を被保険者の遺族とし、かつ普遍的加入にすることによって、支払った保険料の半分を福利厚生費として損金算入することができます。

③満期保険金が法人で、死亡保険金受取人が被保険者の遺族である場合(特定の被保険者)

(保険料積立金)××× (現金預金)×××
( 給 与 ) ×××

ハーフタックスプランの場合には、普遍的加入にすることによって、支払った保険料の半分を福利厚生費として損金算入することができましたが、特定の役員や従業員が被保険者である場合には、福利厚生費ではなく、給与として損金算入されることになります。

但し、給与の場合には、契約者である法人は、源泉所得税を徴収しなければならないという問題がありますので注意が必要です。

終身保険の保険料の税務

終身保険で死亡保険金受取人が被保険者の遺族の場合には、次のように経理処理されます。

(給与)×××(現金預金)×××

この場合の税務上の取扱いは、その被保険者に対する給与として損金算入します。

但し、給与の場合には、契約者である法人は、源泉所得税を徴収しなければならないという問題がありますので注意が必要です。

長期平準定期保険の保険料の税務

長期平準定期保険は次の計算式を満たす定期保険です。
契約年齢+保険期間>70歳 かつ 契約年齢+保険期間×2>105《105ルール》

長期平準定期保険で、死亡保険金受取人が被保険者の遺族の場合には、次のように終身保険と同じ経理処理となります。

(給与)×××(現金預金)×××

この場合の税務上の取扱いは、その被保険者に対する給与として損金算入します。

但し、給与の場合には、契約者である法人は、源泉所得税を徴収しなければならないという問題がありますので注意が必要です。

あとがき

前回の記事にもアップしましたが、2019年2月13日に国税庁から各保険会社に定期保険の保険税務の改正予定の通知が行われてから、各保険会社は全損で貯蓄性が高い定期保険の販売を相次いで停止する事態となっています。
おそらく2019年2月いっぱいでほとんどの保険会社が貯蓄性の高い定期保険の販売を停止するのではないでしょうか?
全損とは、全額損金という言葉を短くした言葉で一般的によく使われています。
つまり支払った保険料が全額経費になるという意味です。
報道によれば、今まで定期保険の税務は、105ルールに抵触しなければ全損で処理できましたが、今後は、解約返戻率(解約返戻金を払込保険料で割った利率)のピ-クが50%を超えた場合には、全損にできないような取扱いとなる方向での改正となるようです。

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