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【相続対策の失敗】相続人ではない孫を死亡保険金受取人にしたときの問題点とは?☆

概要

契約者=被保険者の生命保険契約(AAB形態)で、被保険者の死亡により、死亡保険金受取人が保険金を受け取った場合には次のように相続税の課税対象となります。

https://www.hokenzeim.com/%E6%AD%BB%E4%BA%A1%E4%BF%9D%E9%99%BA%E9%87%91%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%97%E3%81%A6%E7%9B%B8%E7%B6%9A%E7%A8%8E%E3%81%8C%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%82%8B%E5%A0%B4%E5%90%88/

この場合、死亡保険金受取人を相続人以外の孫にしたときには、どのような問題が生じるでしょうか?

このとき、次の3つのデメリットがあります。

相続税法第12条(死亡保険金の非課税)が適用できない

死亡保険金をAAB形態で契約した場合で死亡保険金受取人が相続人であったときには、法定相続人一人につき500万円の非課税枠があります(相続税法第12条)。

この規定の適用対象者は相続人ですので、相続人ではない孫を死亡保険金の受取人にしたとき、その孫は相続法第12条の死亡保険金の非課税の規定が適用できないことになります。

相続税額が2割加算されてしまう

死亡保険金受取人が相続人以外の孫であったとき、孫は遺贈により死亡保険金を受け取ることになります。

このとき、その孫は算出された相続税額に2割加算した金額を納付しなければならないことになります(相続税法第18条)。

尚、相続税額が2割加算されるのは、相続又は遺贈により死亡保険金を受け取った人が一親等の血族(代襲相続人含む)及び配偶者以外の者であったときです。

 

相続開始直前の孫に対する生前贈与の効果がなくなる

相続開始前の3年以内の贈与については、贈与はなかったものとして相続財産に加算して相続税として計算をやり直すという規定があります(相続税法第19条1項)

この適用対象者は、相続又は遺贈により財産を取得した人です。

つまり、相続人ではない孫は、本来この規定の対象外ですので、相続開始直前に相続人ではない孫に生前贈与する方法は、相続対策としてよく利用されます。この結果、被相続人の相続財産を減らし、相続税を節税させることができるのです。

しかし、死亡保険金を相続人以外の孫が取得したときには、孫は被相続人から死亡保険金を遺贈により取得したことになりますので、相続開始前の3年以内のその孫への贈与があったときには、その贈与はなかったものとして相続財産に加算し、相続税として計算をやり直さなければならなくなります。

つまり結果として孫への生前贈与による相続対策の効果がなかったことになってしまうのです。

結局のところ、どうすればよいのか?

結局のところ、に対しては生前贈与で相続対策を行い、孫を死亡保険金受取人にする保険契約は締結しないのが無難かと思います。

但し、唯一の例外があり、相続税がかからない場合には、例外的に孫を死亡保険金受取人にする保険契約を締結しても良いかと思います。

相続税がかからない場合とは、次の計算式のように相続財産が相続税の基礎控除を下回るときです。

相続財産(評価額) ≦ 相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数

《参考》孫が代襲相続により相続人となった場合にはどのような取り扱いになるのか?

被相続人の相続人の子が既に死亡しており、孫が代襲相続により相続人となっていた場合で死亡保険金をその孫が取得したときにはどのような取り扱いになるでしょうか?

次の図のように子1が既に死亡しており、孫1が代襲相続したケースです。

この場合には次のような取り扱いとなります。

1.相続税法第12条の死亡保険金の非課税の規定

適用OK(孫が代襲相続により相続人になったためです)

 

2.相続税額の2割加算

2割加算しなくてもよい(一親等の血族には代襲相続した者も含むからです)

 

3.相続開始前3年以内の相続人である孫に対する生前贈与

贈与はなかったものとして相続税としての計算のやり直しが必要(孫は相続により死亡保険金を受け取ることになるためです)

根拠法令・関連条文

相続税法
第一二条(相続税の非課税財産)
次に掲げる財産の価額は、相続税の課税価格に算入しない。
五 相続人の取得した第三条(相続又は遺贈により取得したものとみなす場合)第一項第一号に掲げる保険金については、イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、イ又はロに定める金額に相当する部分
イ 第三条第一項第一号の被相続人のすべての相続人が取得した同号に掲げる保険金の合計額が五百万円にその被相続人の第十五条(遺産に係る基礎控除)第二項に規定する相続人の数を乗じて算出した金額(ロにおいて「保険金の非課税限度額」という。)以下である場合 その相続人の取得した保険金の金額
ロ イに規定する合計額がその保険金の非課税限度額を超える場合 その保険金の非課税限度額にその合計額のうちにその相続人の取得した保険金の合計額の占める割合を乗じて算出した金額

第一八条
(相続税額の加算)
相続又は遺贈により財産を取得した者がその相続又は遺贈に係る被相続人の一親等の血族(その被相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失ったため、代襲して相続人となったその被相続人の直系卑属を含む。)及び配偶者以外の者である場合においては、その者に係る相続税額は、第十七条(各相続人等の相続税額)の規定にかかわらず、同条の規定により算出した金額にその百分の二十に相当する金額を加算した金額とする。
 前項の一親等の血族には、同項の被相続人の直系卑属がその被相続人の養子となつている場合を含まないものとする。ただし、その被相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失ったため、代襲して相続人となっている場合は、この限りでない。

第一九条
(相続開始前三年以内に贈与があった場合の相続税額)
相続又は遺贈により財産を取得した者がその相続の開始前三年以内にその相続に係る被相続人から贈与により財産を取得したことがある場合においては、その者については、その贈与により取得した財産の価額を相続税の課税価格に加算した価額を相続税の課税価格とみなし、第十五条(遺産に係る基礎控除)から第十八条(相続税額の加算)までの規定を適用して算出した金額(その贈与により取得した財産の取得につき課せられた贈与税があるときは、その金額からその財産に係る贈与税の税額として計算した金額を控除した金額)をもって、その納付すべき相続税額とする。
※根拠法令・関連条文につきましては、読みやすいように一部加筆修正しています。