スポンサーリンク

生命保険加入のための考え方とデータ(死亡保障)

概要

さて、これから生命保険に加入しようとする方は、いくら位の生命保険に加入したら良いでしょうか?

また既に生命保険に加入している方は、どのように保険金額や入院日額を決めましたでしょうか?

 

よくお客様からは、

「生命保険のことはよくわからない・・・」

「いくらの保険金額に加入したらいいですか?・・・」

「医療保険は、本当に1日1万円の入院保障が必要なんですか?・・・」

などといった声を聞きます。

そこで保険の加入の仕方や考え方について、基本的なことをお話したいと思います。

基本的な考え方

まず、生命保険については、加入の目的別に考えるべき保障が4つあります。


①死亡保障・・・万が一亡くなった時のリスクに備えるための保障(遺族のため)

②老後保障・・・長生きのリスクに備えるための保障

③医療保障・・・入院したり手術したりした時のリスクに備えるための保障

④介護保障・・・寝たきりや介護になった時のリスクに備えるための保障


いずれの保障を考えるうえでも、国の公的な保障会社の保障を考える必要があり、これらの保障について足りない部分を生命保険でカバーするということが基本な考え方となります。
(下図参照)

 

会社員で特に大企業に勤めている方は、一般的には福利厚生の面で会社の保障が厚いため、不足分が少なくなる傾向があります。また国の保障も厚いです。

一方、自営業者や中小企業に勤めている方は、退職金などの福利厚生の面で大企業に勤めている方と比べると相対的に保障が薄いことになります。また自営業者の方は会社員に比べて国の保障が少ないですので、生命保険を多く考える必要があります。(つまり自助努力が必要ということになります。

死亡保障の考え方

まずは生命保険の基本となる死亡保障についてみていきたいと思います。

まずは国の保障です。

国の保障

万が一亡くなった時には、国からどのような公的な保障が得られるでしょうか?

皆さんは多分「遺族年金」が頭に浮かぶかと思います。

遺族年金には2種類あり、遺族基礎年金遺族厚生年金となります。

ここでは、この2種類の遺族年金を説明をするため、自営業の方とサラリーマンに分けてお話したいと思います。

まず、自営業の方は、国民年金の加入ですから、一定の要件を満たす場合には、遺族に「遺族基礎年金」が支給されます。

一方、サラリーマンは厚生年金の加入によって2階建の年金となりますので、一定の要件を満たす場合には、遺族に「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」の両方が支給されることになります。

つまり、厚生年金の保険料には実質的に国民年金の保険料が含まれていることになるのです。

《ポイント》
 ・国民年金⇒遺族基礎年金
 ・厚生年金⇒遺族基礎年金+遺族厚生年金

遺族基礎年金

個人事業主などの自営業者は、国民年金保険に加入していますので、亡くなった場合で一定の要件を満たすときには遺族に遺族基礎年金が支給されます。

この遺族基礎年金の支給を受けるには、
①遺族の要件
②亡くなった方の被保険者要件
③亡くなった方の保険料納付要件
の3つがありますが、特に注意すべき点は、遺族年金を受取れる遺族の要件として、原則18歳未満の子供のいる配偶者もしくは18歳未満の子供であるということです。

「国は、子供がいる家庭は子供が高校を卒業するまでは面倒を見ますよ」と考えると、分かりやすいと思います。

それでは、遺族基礎年金はいくら受け取れることができるでしょうか?

 基本額(年額)779,300円+子の加算額(平成30年度)

となります。

子の加算額は、1人目、2人目の子については、1人につき年額224,300円、3人目以後の子については、1人につき年額74,800円となります。

例えば18歳未満の子供が2人いる妻の場合には、
779,300円+子の加算額224,300円×2人=1,227,900円(年額)
が支給されることになります。

つまり、18歳未満の子供2人がいる夫が亡くなったケースですと、上の子供が18歳になるまでは、その妻に毎月10万円位支給されるということになりますね。

厚生労働省のホームページより

まとめると次のようになります。

①遺族の要件・18歳未満の子供がいる妻・夫(その子供の生計を維持していたことが必要)
・18歳未満の子供(子供は未婚であることが必要)
 (1級・2級の障害者の場合には20歳未満
②亡くなった方の被保険者要件・国民年金の被保険者である間に死亡したとき、又は国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方で、日本国内に住所を有していたものが死亡したときは、次の③の保険料納付要件を満たす必要があります
③亡くなった方の保険料納付要件《原則》被保険者期間のうち、3分の2以上の期間、納付済か免除であること
《特例》直近の1年間に保険料の未納がないこと(平成38年3月31日以前死亡)
④年金額
(平成30年度)
・18歳未満の子供が1人・・・年間1,003,600円(779,300円+224,300円)
・18歳未満の子供が2人・・・年間1,227,900円(779,300円+224,300円×2)
・18歳未満の子供が3人・・・年間1,302,700円(779,300円+224,300円×2+74,800円)
子供4人目以降年間1,302,700円+4人目以降の子供1人につき74,800円加算

 

遺族厚生年金

一方、サラリーマンは、厚生年金保険に加入していますので、亡くなった場合で一定の要件を満たすときには、遺族に遺族厚生年金が支給されます。また18歳未満の子供がいる場合には、遺族基礎年金もあわせて支給されます。

この遺族厚生年金の支給を受け取るためには、遺族基礎年金同様
①遺族の要件
②亡くなった方の被保険者要件
③亡くなった方の保険料納付要件
の3つがありますが、遺族基礎年金との相違点として、18歳未満の子供がたとえいなくても配偶者に遺族厚生年金が支給されるという点です。
また、父母や祖父母、孫にも支給権利があるのも遺族基礎年金とは異なる点です。

遺族厚生年金については、まとめると次のようになります。

①遺族の要件被保険者の死亡当時、その被保険者によって生計を維持されていた次の遺族
・妻
・夫・父母祖父母いずれも55歳以上
・18歳未満の子供、
(未婚であることが必要)
 (1級・2級の障害者の場合には20歳未満)
但し、遺族が年850万円以上の収入がある場合には受給できません
【遺族の受給の順位】
1⃣配偶者又は子 2⃣父母 3⃣孫 4⃣祖父母
上位の人が受給した場合には下位の人は年金を受給することはできません
②亡くなった方の被保険者要件1. 被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき。(ただし、次の③保険料納付要件を満たすことが必要)

2. 老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。

3. 1級・2級の障害厚生年金を受けられる者が死亡したとき。

③亡くなった方の保険料納付要件《原則》国民年金の被保険者期間がある場合には被保険者期間のうち、3分の2以上の期間、納付済か免除であること
《特例》直近の1年間に保険料の未納がないこと(平成38年3月31日以前死亡)
④年金額標準報酬月額によって、受取額が異なります。
《原則》死亡した被保険者の報酬比例部分の年金額×3/4
但し、65歳以上の老齢厚生年金の受給権のある配偶者は、《原則》の金額と、次の計算式の金額とのいずれか大きい方の額となります。
死亡した被保険者の※報酬比例部分の年金額×3/4×2/3
+本人の老齢厚生年金の額×1/2

※上の表の死亡した被保険者の報酬比例部分の年金額は次のように計算します。
平均標準報酬月額×7.125/1,000×平成15年3月までの被保険者期間の月数
平均標準報酬月額×5.481/1,000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数

尚、遺族厚生年金の受給権者がの場合には、中高齢の寡婦加算というものがあり、その妻が40歳以上65歳未満であるときには、遺族基礎年金に3/4を乗じた金額である584,500円が支給されます。

 中高齢の寡婦加算 584,500円(平成30年度)《40歳以上65歳未満の妻

 

会社の保障

通常、万が一死亡した場合には、会社から死亡退職金弔慰金が支給されます。

これは勤めている会社によって異なり、その会社毎に就業規則等で規程されていますので、一度確認してみることをおススメします。

一般的には、大企業は福利厚生が充実しているため、中小企業に比べて死亡退職金弔慰金が多いです。

死亡退職金弔慰金の平均データを色々探してみましたが、残念ながら見つかりませんでした。

しかし、生存退職金については、東京都産業労働局の中小企業のデータがあり、平成30年の定年退職の場合の平均退職金は次の通りでした。

生存退職金の平均額(東京都産業労働局のデータより)
高卒     1,126万円
高専・短大卒 1,106万円
大卒     1,203万円

一方、死亡退職金弔慰金の平均額は、おおむね500万円位ではないかと思います。

死亡保障額の算出方法

《手順》

①支出見込額の計算
ステップ1・・・末子独立までの遺族の生活資金(現在の生活費の70%
ステップ2・・・末子独立後の配偶者の生活資金(現在の生活費の50%
ステップ3・・・その他の必要資金の計算(教育資金、結婚資金、住居費用、相続費用等


②収入見込額の計算

ステップ4・・・収入見込額(国の保障会社の保障預貯金等配偶者の収入等


③死亡保障額の計算

ステップ5・・・死亡保障の不足額の算出(①-②より)

事例1 40歳のサラリーマンが亡くなった場合(モデルケース)

《前提条件》
・亡くなった夫サラリーマン40歳、妻(専業主婦)38歳、長女10歳、長男8歳、持家あり
夫は23歳から厚生年金に加入
・毎月の生活費は30万円

①支出見込額の計算

ステップ1・・・末子独立までの遺族の生活資金(現在の生活費の70%)
30万円×0.7×12ヵ月×15年=3,780万円 

ステップ2・・・末子独立後の配偶者の生活資金(現在の生活費の50%)
30万円×0.5×12ヵ月×35年=6,300万円    

ステップ3・・・その他の必要資金の計算
教育資金・・・長女(高校まですべて公立、大学は私大文系で自宅から通学) 1,000万円
長女(高校まですべて公立、大学は私大文系で自宅から通学)                        1,000万円
結婚資金・・・親の援助額(長女、長男二人で)   200万円
住居費用・・・修繕費、固定資産税等                600万円
葬式費用等・・・葬儀代、お墓代、相続費用等    500万円
小計 1億3,380万円

②収入見込額の計算
ステップ4・・・収入見込額
国の保障・・・長女が18歳になるまでの9年間(遺族基礎年金・遺族厚生年金)1,535万円
その後長男が18歳になるまでの2年間( 〃 ・ 〃 )          295万円
その後妻が65歳になるまでの16年間(遺族厚生年金・中高齢寡婦加算)    1,705万円
妻が65歳から87歳までの23年間(老齢基礎年金・遺族厚生年金)                   2,900万円

会社の保障 死亡退職金や弔慰金 500万円

預貯金等 500万円

妻の勤労収入・・・年間200万円×60歳になるまでの22年間と仮定  4,400万円
小計 1億1,835万円

③死亡保障額の計算
ステップ5・・・死亡保障の不足額の算出(①-②より)
①-②=1,545万円

※教育資金については文部科学省のデータを参考にしています。
※遺族厚生年金は、平成15年3月までの平均標準報酬月額が30万円、平成15年4月以後の平均標準報酬月額が39万円として計算しています。

事例2 40歳の自営業の方が亡くなった場合(モデルケース)

《前提条件》
・亡くなった夫自営業者40歳、妻(専業主婦)38歳、長女10歳、長男8歳、持家あり
夫は20歳から国民年金に加入
・毎月の生活費は30万円

①支出見込額の計算

ステップ1・・・末子独立までの遺族の生活資金(現在の生活費の70%)
30万円×0.7×12ヵ月×15年=3,780万円 

ステップ2・・・末子独立後の配偶者の生活資金(現在の生活費の50%)
30万円×0.5×12ヵ月×35年=6,300万円    

ステップ3・・・その他の必要資金の計算
教育資金・・・長女(高校まですべて公立、大学は私大文系で自宅から通学) 1,000万円
長女(高校まですべて公立、大学は私大文系で自宅から通学)                        1,000万円
結婚資金・・・親の援助額(長女、長男二人で)   200万円
住居費用・・・修繕費、固定資産税等                600万円
葬式費用等・・・葬儀代、お墓代、相続費用等    500万円
小計 1億3,380万円

②収入見込額の計算
ステップ4・・・収入見込額
国の保障・・・長女が18歳になるまでの9年間(遺族基礎年金のみ)1,105万円
その後長男が18歳になるまでの2年間( 〃 )                    200万円
その後妻が65歳になるまでの16年間                                           0万円
妻が65歳から87歳までの23年間(老齢基礎年金のみ)          1,792万円

会社の保障 なし

預貯金等 500万円

妻の勤労収入・・・年間200万円×60歳になるまでの22年間と仮定  4,400万円
小計 7,997万円

③死亡保障額の計算
ステップ5・・・死亡保障の不足額の算出(①-②より)
①-②=5,383万円

 

事例1のサラリーマンのモデルケースでは1,545万円、事例2の自営業者のモデルケースでは5,383万円の生命保険に加入していれば、現状資金不足にならないことになります。

ただし、国の保障である社会保険制度は、今後国の財政難から支給額が減少していくことが予想されること、また老齢年金については今後支給開始年齢が65才から繰り下げになる可能性が高いと予想されますので、少し金額的に余裕を持って生命保険にご加入されることが必要と思われます。

まとめ

・死亡保障を目的としての生命保険の加入を考えるときには、国の保障会社の保障を考慮して加入額を決めることが必要です。

・国の保障には、遺族年金があり、遺族年金には遺族基礎年金遺族厚生年金があります。

遺族基礎年金は18歳未満の子供がいない場合には受け取ることができません。
例えば、18歳未満の子供2人がいる妻の場合には、毎月約10万円が国から支給されます。

一方、遺族厚生年金は18歳未満の子供がいない場合でも受け取ることが可能です。支給額は亡くなった方がもらっていた報酬(給料)の額によって異なり、報酬比例の年金額の3/4相当です。
尚、18歳未満の子供がいる場合には、厚生年金加入者の遺族は、遺族基礎年金もあわせて支給されます。

・会社の保障は死亡退職金弔慰金があり、勤めている会社によって異なります。事例1では500万円と仮定して計算しています。

一般的に自営業者は、サラリーマンよりも国の保障や会社の保障が少ないため、より自助努力が必要になります。

必要な保障額は人によって全く異なります。毎月の収入が100万円である方が亡くなった場合と、毎月の収入が25万円である方が亡くなった場合では、生活レベルが全く異なるため、死亡保障額の計算は、それぞれの方について支出見込額と収入見込額をもとに計算する必要があります。(事例はあくまで平均的な金額をベースとしたモデルケースを掲載したものです。)

持家で住宅ローンのある方が亡くなった場合、団体信用生命保険住宅ローンの返済が免除になるため、その後基本的に修繕費や固定資産税の費用の負担だけになるのに対し、賃貸の方が亡くなった場合には、引き続き遺族は住宅の賃貸料を支払わなければならないため、支出見込額が大幅に多くなることになります。

個別に保険の見直しをご希望される方は、hokenzeim☆gmail.comまでご連絡ください。(☆を@に変えてお送りください。)



 

にほんブログ村 その他生活ブログ 保険へ
にほんブログ村