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【解答】孫が死亡保険金の受取人である保険契約が相続発生後に見つかった場合の問題点☆

まえがき

【事例問題】孫が死亡保険金の受取人である保険契約が相続発生後に見つかった場合の問題点についての解答です。

事例問題はこちらになります。

https://www.hokenzeim.com/%E3%80%90%E4%BA%8B%E4%BE%8B%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%80%91%E5%AD%AB%E3%81%8C%E6%AD%BB%E4%BA%A1%E4%BF%9D%E9%99%BA%E9%87%91%E3%81%AE%E5%8F%97%E5%8F%96%E4%BA%BA%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E4%BF%9D%E9%99%BA/

【解答1】

どのようなことが問題になるのか?

相続人ではない孫に対する生前贈与は基本的には有効です。

なぜなら被相続人の財産を短期間に孫に移転させ、相続財産を減らすことができるからです。

しかし、今回孫が祖母であるAさんの死亡により、Aさんを契約者・被保険者とする死亡保険金を受け取っていますので、孫は相続税の納税義務者になります。(孫5人は“遺贈”により死亡保険金を受け取ったことになります。)

このため、相続税法第19条(相続開始前三年以内に贈与があった場合の相続税額)の適用の対象となります。

つまり孫5人に対する生前贈与は、相続財産に加算され、相続税として計算をやり直す必要があります。つまり孫に対する生前贈与による相続対策が失敗に終わったことになります。

納付すべき相続税

1.課税価格 4億5,000万円+5,000万円=5億円
2.相続税の総額        1億5,210万円
3.孫5人が支払った贈与税額       485万円
4.2-3より                     ※1億4,725万円

実際の計算では、2の相続税の総額を相続又は遺贈により財産を取得した者毎に取得した財産に応じて按分し相続税の計算をします。ここでは簡便な方法により総額ベースで表示しています。

【解答2】

顧問税理士はどうすべきだったか?

孫に対する生前贈与は有効であるとAさんに伝えるだけでなく、孫が遺贈により相続財産を取得した場合には、相続開始前3年以内の贈与財産は相続税として計算し直す必要があることをAさんに伝えるべきでした。

つまり、契約者=被保険者がAさんで死亡保険金受取人が孫である保険契約の有無を確認すべきでした。

そのうえで契約者=被保険者がAさんで死亡保険金受取人が孫である保険契約がある場合には死亡保険金受取人を変更すべきである旨のアドバイスをするべきでした。

また同様の理由で、孫に遺贈させる旨の遺言の有無をAさんの生前に確認すべきですし、また孫に遺贈させる旨の遺言があった場合には書き直しをアドバイスすべきです。

尚、相続人ではない孫に限らず、相続人ではない人に相続対策として生前贈与をする場合には、生命保険の死亡保険金の受取人になっていないか?またその相続人ではない人に遺贈する旨の遺言がないか?という確認が必要になります。

生命保険の外交員はどうすべきだったのか?

税理士との連携が不可欠でした。

そのうえで本問の場合、死亡保険金受取人をAさんの生前に孫5人からAさんの子供に変更するなどの対応が必要でした。

尚、実務上死亡保険金の受取人の変更はすぐに手続き可能です。

あとがき

今回の事例は実際に起こり得る話だと思いますので、こういった相続人ではない孫を死亡保険金の受取人とする契約があった場合にはご注意下さい。

その場合には、相続対策として相続人ではない孫に対して行った相続直前の生前贈与が無意味となる可能性が高いです。

ちなみに、相続人ではない孫に対する生前贈与が有効であることが書かれている本はありますが、こうした落とし穴があることまで書かれている本は見たことがないです。

今回の内容は全てオリジナルのものであり、どの書籍を探してもおそらく書かれていない内容だと思います。